東京日記

日々の記録

2022年5月19日 京橋、東京駅(晴れ)

一日目。

東京駅で人と会う予定があったので、京橋に寄って、気になっていたコイズミアヤの展示を観る。面白くて、構造を理解しようと努力するのだけど、最近はそういう集中力がない。美術作品も本のように一定期間借りて、家でじっくり向き合える仕組みがあると、受容のされ方も変わるのだろうか。展示と所有の間の選択肢が欲しい。

入ったのとは逆側から外へ出る。近くの京橋エドグランというビルの2階にエスカレーターで上がり、オープンスペースのベンチに腰掛ける。たまにこういうスケールの大きい空間に身を置くと楽しい。前に座っていた南アジア系のおじさんが立ち上がり、左右に行ったり来たり、歩きながら何かを考えているふう。強いビル風が吹き抜ける。定時上がりの会社員たちがエスカレーターをどんどん降りていく。

少し移動して、八重洲ブックセンター内のドトールで休憩しながら『コミュニティ・オーガナイジング』という社会運動のための組織づくりの方法を書いた本を読む。一揆の後、リーダーが死刑にされることが多くあり、誰がリーダーかわからないよう誓約書に円形に署名する方法が生まれたそうで、図版として載っているのだけど、それがなんだか良い。「傘連判状」と言うらしい。

東京駅の丸の内側まで歩く。停滞した人混みは苦手だけれど、たくさんの人が歩く流れに乗ることも、都心に出た時の楽しみの一つ。流れに逆行する時は、より気持ち良い。粘度の高い水を切って進むような。

予定を終えて電車に。新宿で少し飲もうか迷ったけれど、まっすぐ帰宅した。